認知症を判断するためには患者さんの生活状況をよく知る家族や周囲の人々からの詳細な病歴聴取と患者さんへの丁寧な問診・診察が重要である。その後に頭部CTスキャンやMRIを利用して頭蓋内の治療可能な病態を除外していくことが求められる。では、脳SPECT検査をどのように利用したらよいのだろうか。認知症か否かの判断が困難な事例や原因疾患の鑑別、血管性認知症の背後に潜む変性性疾患の探索などが主な目的になるのではなかろうか。
*本動画は、2019年11月14日(木)に実施したWeb講演会です。
1.
認知症の診断手順と画像検査の役割
病歴、問診・診察で典型的な病像を示すような場合には脳形態画像検査まで行い、診断が難しい場合には脳機能画像検査に進みます。
2.
アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)鑑別診断のための脳SPECT検査所見
脳血流SPECTではADは原則、頭頂葉後部、楔前部、後部帯状回の血流低下、DLBは後頭葉内側、外側の血流低下が特徴です。DaTSCANでは線条体への集積低下がDLBの特徴です。
3. 脳血流SPECT活用事例
脳血流SPECT活用事例
-認知症診断に悩む症例の診断補強-
軽微・軽度な症例、萎縮が明らかでない症例、家族からうまく病歴を聴取できないような症例にも診断補助ツールとして有用です。
4. 脳血流SPECT活用事例
脳血流SPECT活用事例
-認知症の病型診断、背景疾患の診断-、まとめ
血管性認知症の背景にある変性性認知症疾患の探索にも脳血流SPECT検査が有用です。