前立腺がんの治療は、選択肢が複数あることが多いです。患者さんに「選択肢があります。あなたが決めてください」と言ってくれる先生は、よい先生だと思います。
人によって状況は異なるわけですから、自分が勉強して自分で治療法を決めなければなりません。「あなたはがんです」と言われると、やはり嫌なものです。しかし、自分の命がかかっているので、私は将棋研究の10倍ぐらい勉強しました(笑)。自分で人生を決め、決めたら微動だにしないことです。
父の晩年の11年間、マネジャーを務めましたが、そのうち7年間が病気と共にありました。逝去の翌年からPSA検査を呼びかける活動を始めましたが、男性は注射器嫌いの方が多く、これが難問と実感しています。後押しにはやはり女性の力が必要です。女性からも、周りの大切な方々にPSA検査をお勧めください。
また、ご主人が闘病中という方も多いと思いますが、ご自分の健康にも十分配慮なさってください。患者さんにおかれましては、治療と節制で永らえられますと、より良い薬、より効果的な治療に出合うことができると思っております。
前立腺肥大症と前立腺がんは、まったく別のものですが、自覚症状はよく似ているので「おしっこの出具合が悪い」「血尿が出る」などがある方は、早めに専門医を受診することをおすすめします。
1. 前立腺がんってどういう病気? |
2. 前立腺がんとのつきあい方・ゲストによる闘病体験談 |
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あくまでもケースバイケースですから、この情報だけで判断するのは難しいです。がんが前立腺の中にとどまっているのなら根治療法も可能なので、泌尿器科の医師は、手術か放射線療法を提示すると思います。しかし、80歳ぐらいの人には、ホルモン療法を提示する場合もあります。医師はガイドラインにのっとり、複数の治療法、およびその患者さんに適応する治療法を説明しなければなりません。納得した上で、ご自分で選択することが大切です。