臨床編Q&A
放射性医薬品を用いてどんな検査が可能ですか
- 脳疾患では123I-IMPや99mTc-HMPAOを用いた脳血流検査を行うことにより脳血流分布画像が得られ、血流低下部位の検出や局所脳血流量の測定が可能です。また、負荷検査により脳循環予備能の評価も行えます。さらに123I-IMZを用いて、てんかんの焦点検出が可能です。
- 心臓疾患では201Tlや99mTc-Tetrofosminを用いた心筋血流検査で心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や心筋症の心筋血流を評価することができます。また、123I-BMIPPを用いて心筋の脂肪酸代謝の検査が行えます。
- 腫瘍の検査には67Gaが用いられ、悪性リンパ腫・感染症・黒色腫等の腫瘍やサルコイドーシスの検出、不明熱の原発巣の検出などに有用です。また、各腫瘍の診断として18F-FDG PET検査があります。
- 骨病変の検査には99mTc-HMDPを用い、1度の検査で全身の病変の検索ができます。また、腫瘍の骨転移や疲労骨折などX線検査では検出が困難な骨病変に対しても感度のよい検査が行えます。
- 甲状腺疾患には123I-capを用いた甲状腺機能検査が行えます。
- 肺の検査では81mKrを用いた肺換気検査が行えます。
- 肝臓の検査では99mTc-GSAを用いて肝機能を検査することで、びまん性肝疾患の診断、術前の肝予備能や術後残存肝機能を知ることができます。
- 腎臓の検査では99mTc-DMSAを用いて腎臓の形態を見ることができます。
- この他、異所性胃粘膜の検出や消化管出血の検査、脳脊髄液腔病変の検査や造血機能検査などができます。詳しくは各製剤の「添付文書」をごらんください。
- (標識核種をわかりやすくするために製剤名を略名で表記しました。上記製剤は弊社で扱っている製剤です)
詳しくは、「主な核医学検査」をご覧ください。
製剤名一覧
略名 | 製剤名 |
---|---|
99mTc製剤 | |
99mTc-HMDP | クリアボーン®注 |
99mTc-DMSA | キドニーシンチ®Tc-99m注 |
99mTcO4- | テクネシンチ®注-10M |
99mTc-PMT | ヘパティメージ®注 |
99mTc-HSAD | プールシンチ®注 |
99mTc-GSA | アシアロシンチ®注 |
99mTc-Tetrofosmin | マイオビュー®注シリンジ |
調製用キット | |
スズキット | スズコロイドTc-99m注調製用キット |
CBキット | クリアボーン®キット |
DMSAキット | キドニーシンチ®キット |
99mTc-HMPAO | セレブロテック®キット |
99mTc-Tetrofosmin | マイオビュー®「注射用」 |
サイクロトロン製剤・他 | |
67Ga | クエン酸ガリウム(67Ga)注NMP |
201Tl | 塩化タリウム(201Tl) 注NMP |
111In-DTPA | インジウムDTPA(111In)注 |
111InCl | 塩化インジウム(111In)注 |
123I-IMP | パーヒューザミン®注 |
123I-IMZ | ベンゾダイン®注 |
123I-BMIPP | カルディオダイン®注 |
123I-ioflupan(123I-FP-CIT) | ダットスキャン®静注 |
123I-cap | ヨードカプセル-123 |
81mKr | クリプトン(81mKr)ジェネレータ |
MT | メジテック® |
18F-FDG | FDGスキャン®注 |
18F-Flutemetamol | ビザミル®静注 |