ブルークローバー・キャンペーンは、前立腺がんの早期発見・適切治療を推進し、日々進化する治療の最新情報を伝える取り組みを続けています。
その活動の一環として、毎年秋には複数の医療機関と協力し、無料PSA検査の提供のほか、前立腺がんの基本的知識を広く発信する活動を展開。年を追うごとにその協力医療機関数を増やし、キャンペーンのメーンメッセージである「前立腺がんの早期発見・適切治療」の大切さを、全国に浸透させています。
毎年、趣向を凝らしたアプローチでキャンペーンを盛り上げる同院。今年は9/16〜27の期間を「ブルークローバー・キャンペーン旬間」とし、オリジナルのぼりの作製や、高崎駅でのポスター掲示、チラシ配布を実施。また高崎市薬剤師会、富岡甘楽薬剤師会の薬局にも協力を得て、薬局内でポスター掲示、チラシ配布を行いました。こうした活発な事前告知も奏功し、当日は、平日にもかかわらず市民公開講座に約100人、無料PSA検査へは34人が参加しました。
2部構成で展開された市民公開講座は、第1部「前立腺がんの診断」(熊坂文成先生 黒沢病院予防医学研究所主任研究員)、「前立腺がんの治療」(山中英壽先生 黒沢病院院長)の講演で幕を開けます。第2部のパネルディスカッションでは黒澤功先生(NPO前立腺がん検診推進ネットワーク理事長)司会のもと、山中先生、熊坂先生のほか、黒澤由美子さん(NPO前立腺がん検診推進ネットワーク理事)、白井徳夫さん(アイケイ薬局富岡店)、武川志央さん(黒沢病院企画推進部)がパネリストとして登壇。「前立腺がん検診の推進」をテーマに活発な意見の交換が行われました。
年に一度のキャンペーン期間だけでなく、毎年恒例の病院祭(美心祭)では前立腺がんに関するブース設置やミニ講演なども継続して行う同院。前立腺がんの早期発見・適切治療の重要性を啓発する熱意は地域の皆さんへも確実に浸透しており、今年は聴講者の真剣さが例年以上に伝わってきたといえます。
一般市民に広く前立腺がんのことを知ってもらおうと、250人の参加者を集めて開催された市民公開講座「知ろう!学ぼう!前立腺がん」。田中正利先生(福岡大学医学部泌尿器科学教室教授)司会のもと、横溝晃先生(九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野准教授)による「前立腺がんって何?」、阿部裕典先生(白十字会白十字病院泌尿器科部長)による「前立腺がんの診断」、入江慎一郎先生(福岡大学医学部泌尿器科学教室講師)による「前立腺がんの治療」の3講演が行われました。
この時期の“恒例行事”となった感のある講座ですが、家族連れで来場する参加者のほか「毎年楽しみに参加しています」といった声を寄せる参加者も見られるなど、大きな期待の中での開催となっています。今回も数多くの質問が寄せられましたが、その期待に応えるかのように、各講師も患者さんの状態に合わせた、踏み込んだ具体的な治療の話を展開。会場にはすでに前立腺がんと宣告され、患者としてがんと向きあっている参加者も多く見られましたが、講演や質疑応答を通して、先生方の熱意が伝わったのではないでしょうか。
約220人の参加者を集めて行われた市民公開講座。柏原剛先生(佐久総合病院泌尿器科部長)からは「前立腺がんの疫学・診断・治療」。吉田大作先生(佐久医療センター放射線治療科部長)からは「前立腺癌に対する放射線、IMRTについて」のテーマで講演。その後は質疑応答が行われ、会場からの質問がなくなるまで、長時間にわたって続けられるなど盛り上がりを見せました。公開講座終了後には、当日受け付けで無料PSA検査も実施。予定人数を大幅に上回る151人の受診希望者を数えました。
「こんなに多くの人に参加いただけるとは思っていませんでした。参加者一人ひとりから、関心の強さを感じられて驚いています。講演やPSA検査を通じて、前立腺がんを知っていただく、よい機会になったのでは」と柏原先生が振り返るように、前立腺がんの情報に対して高感度な参加者が集ったイベント。正しい知識の定着はもちろん、前立腺がん治療において佐久総合病院がどのように関われるかを周知する、良い機会となったことでしょう。
2011年、全国に先駆けいち早く民間主導の前立腺がん啓発イベントを実施した昭和大学。昨年までは、品川区にある昭和大学病院で数年にわたり開催していましたが、2014年3月に昭和大学江東豊洲病院が移転開院してから初の開催となりました。
市民公開講座には約200人が参加。「前立腺肥大症の診断と治療(林圭一郎先生・同病院泌尿器科助教)」で前立腺がんとの違いについて、「前立腺がんとは?(五十嵐敦先生・同病院泌尿器科講師)」では前立腺がんの疫学から診断について、「前立腺がんにならない生活(深貝隆志先生・同病院泌尿器科教授)」では予防法と検診の大切さについて、最後に「前立腺がんの最新治療(森田將先生・同病院泌尿器科講師)」では手術、放射線治療、薬物療法について解説がありました。別途、会場内に個別質問コーナーを設け、各先生が個別の疑問や相談に答えるきめ細かな対応もありました。
そして期間中は、200人を超える無料PSA検診への参加者が。検診の重要性が認知されていることを示す何よりの数字といえますが、実際には「検診に興味のある人」の参加によるところも大きいと担当者は分析します。潜在的な「無関心層=検診を受けるべき人」に向けて、これからも啓発メッセージを継続していく必要がありそうです。
齋藤佳隆先生(泌尿器科部長)座長のもとで幕を開けた市民公開講座。講師は竹澤豊先生(泌尿器科主任診療部長)が務め、「前立腺がんとは?」を解きほぐすことから話題を展開します。さらに食事内容や生活習慣が、がんのリスクとどう関係するかについて丁寧に説明。熱心にメモを取りながら聴講する参加者も多く見られました。イベントのタイトルにも織り込んだように、中盤では近年普及のめざましいロボット支援手術についても話が及びます。予防の話題だけでなく、前立腺がんと診断された場合も想定。治療の流れをわかりやすく紹介することで、不安感をなくしてPSA検査を受診してもらいたいという思いが伝わるかのような内容に、講演後も多くの参加者が座長と講師に質問を投げかけていました。特に最近検診を受けた参加者からは、熱心な質問がありました。
「前立腺がんとはどういう病気か。どういう検査、どういう治療があるのか。他のがんと違うところはどこかなど『前立腺がん』の特徴を伝えられた時間になったと思う」と、担当者も開催の手応えを振り返ります。また質疑応答などを通じ、男性だけではなく、その配偶者も病気についての関心が高いと感じられたのも印象的だったといいます。
酒井英樹先生による開会のあいさつで幕を開けた長崎大学の市民公開講座。メルカつきまちを会場に、177人の参加者を集めたイベントのメーンに据えられたキーワードは「前立腺がん検診のすすめ〜PSA検診と治療法の進歩」です。
酒井先生の司会のもと、「前立腺がんと前立腺肥大症」(井川掌先生)の講演で前立腺がんの総論を展開したのち、「PSA検診」(計屋知彰先生)、「早期がんの治療」(竹原浩介先生)、「進行がんの治療」(鶴崎俊文先生)の順に話題が展開されていきます。前立腺がんにまつわる質問に先生が回答する「Q&Aコーナー」では、前立腺がんの予防、前立腺がんと前立腺肥大症との関係、PSAと年齢との関係など、参加者から活発な質問が寄せられました。
事前告知の方法としては、前立腺がんにふだん注意を払わない健康な「無関心層」に、PSA検診の啓発を行いたいというねらいもあったとのこと。会場には女性の姿も多く見られ、家族ぐるみで前立腺がんのことを知ろうという雰囲気に包まれた同日。すでに前立腺がんの治療を受けている人の参加もあり、予防から治療まで、前立腺がんに関する全般的な理解の場となったようです。来年以降のさらなる集客につながるノウハウも得ながら、長崎での前立腺がん理解の輪は確実に広がっています。