紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
3D-SSP/3D-SSPTomo/DaTViewによる画像解析は、核医学画像解析ソフトウェアmedi+FALCON*を使用する事で実施可能です。
(*認証番号:301ADBZX00045000)
本コンテンツで使用している画像提供元:順天堂大学医学部附属順天堂医院
診断病名 進行性核上性麻痺(PSP-PAGF型)
主 訴 | 歩行障害。 | |||||||||
既往歴 | X-2年頃 : 高血圧を指摘。 | |||||||||
現病歴 |
前頭葉兆候はない。Applause testは正確に行え、眼球運動制限はないが、体幹優位の固縮を認める。 全体的な無動はあり、姿勢保持障害と姿勢反射障害を認める。すくみ足が強い歩行障害を認めるが、継足歩行は可能であり、自転車にも乗れた。振戦は認めない。 MMSE:26/30点 頭部MRIでは明らかな萎縮はないが、パーヒューザミン®注(123I-IMP)SPECTでは左優位に両側の前頭葉、側頭葉および線条体の血流低下を認め、 ダットスキャン®静注(DaTSCAN)では両側の線条体への強い集積低下を認めた。 |
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治療・経過 | L-ドパ製剤900mgでは効果がなく、アミトリプチリン30mg、アマンタジン200mgを併用するが効果はなく症状は徐々に進行している。 |
T1強調像
メラニン強調像
頭部MRI T1強調画像軸位断(A)、矢状断(B)で脳幹部の萎縮は明らかではないが、第三脳室の軽度開大(C)を認める。メラニン強調画像では黒質緻密部のニューロメラニンの脱落を認める(D)。
Original 画像
3D-SSP/Tomographic解析画像(血流画像/Decrease Z-score画像)
左優位に両側前頭葉、側頭葉および線条体の血流低下を認める。
Original 画像
DaTView 結果画像
※SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
線条体への集積はドット状であった。
SBRは右0.84、左0.71であり高度の黒質線条体神経の障害が考えられる。
すくみが目立つ歩行障害および、固縮を認め、前頭葉障害や認知症、眼球運動制限はなく、継足歩行や自転車に乗ることが可能であった。しかし、抗パーキンソン病薬の効果が乏しく、進行が比較的速かったためatypical parkinsonismとの鑑別が必要な症例であった。 |
パーヒューザミン®注 | ダットスキャン®静注 | |
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機種名 | シーメンスSymbiaE/SymbiaS | シーメンスSymbiaE/SymbiaS |
データ処理装置 | syngo | syngo |
使用コリメータ | LMEGP | LMEGP |
投与量 | 222MBq | 167MBq |
撮像開始時間 | 投与 20分後 | 投与 210分後 |
収集モード | Continuous | Continuous |
収集角度 | 4度/step | 4度/step |
ステップ数 | 45 | 45 |
収集時間 | 20min(2.5min×8) | 25min(2.5min×10) |
収集拡大率 | 1.45 | 1.45 |
マトリックスサイズ | 128×128 | 128×128 |
ピクセルサイズ | 3.3mm | 3.3mm |
スライス厚 | 3.3mm | 3.3mm |
前処理フィルタ | Butterworth | Gaussian FWHM 7mm |
再構成フィルタ | ramp | - |
オーダー | 8 | - |
カットオフ周波数 | 0.35Nyquist | - |
画像再構成法 | FBP | Flash 3D(Iteration:9, Subset:10) |
減弱補正 | Chang(μ=0.10cm-1) | なし |
散乱線補正 | なし | なし |