【脳の検査】アミロイドPET検査を受けるにあたって
※学会ガイドライン・添付文書に基づき、検診目的のアミロイドPET検査を推奨しておりません
監修:東京都健康長寿医療センター 認知症未来社会創造センター 副センター長 石井 賢二 先生
PET画像/病理画像:GEヘルスケアジャパン株式会社より提供
アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβプラークが、脳内に溜まっているかどうかを調べるためです。
●認知症は正確な鑑別診断が必要です
認知症には様々な原因疾患があり、それぞれで治療やケアが異なります。そのため正確な診断が求められます。
●日常の臨床では次の検査を行います
▶症状の確認や問診 ▶血液検査 ▶認知機能検査 ▶画像検査(脳の萎縮を調べるMRI検査、脳の血流を調べるSPECT検査)
これらの結果を総合的に評価して、認知症かどうか、認知症であればアルツハイマー病による認知症か他の認知症かを判断します。
ただ、上記の検査では認知症の原因の判定が難しいことがあります
アルツハイマー病と判定されたけれど脳内にアミロイドβプラークが溜まっておらす、最終的にアルツハイマー病ではないと診断されるケースや、逆にアルツハイマー病ではないと思われたのにアミロイドβプラークが溜まっており、アルツハイマー病とわかるケースがあります。
アミロイドPET検査(画像検査)により、認知症の原因がアルツハイマー病かどうかを、より正確に診断できます。
脳内にアミロイドβブラークが溜まっているかどうかを、画像で確認できます。
●アミロイドβプラークが溜まっている場合(陽性)
認知症の原因がアルツハイマー病である可能性が高くなります。
ただし、アミロイドβプラークが溜まっていてもアルツハイマー病による認知症になるとは限りません。アルツハイマー病以外の認知症や正常な高齢者にもアミロイドβプラークが溜まる場合があります。アルツハイマー病かどうかは、症状や他の検査結果を併せて、医師が総合的に判断します。
●アミロイドβプラークが溜まっていない場合(陰性)
認知症の原因がアルツハイマー病である可能性が低いと考えられます。
認知症には多くの原因疾患や病態があります
最も多いのは
アルツハイマー病です。
アルツハイマー病は、脳内にアミロイドβプラークが溜まることを特徴としています。
顕微鏡で観たアミロイドβプラーク
このアミロイドβプラークが脳内に溜まることで、脳神経細胞に悪影響を与えるといわれています。(顕微鏡での検査は、亡くなってからの検査です)
顕微鏡検査でわかったこと
核医学検査1回あたりの被ばく線量は0.5~20mSv程度で、X線検査やCT検査でうける被ばく線量と同程度と考えられます。検査の目的により投与する検査薬の量は異なりますが、投与量は微量なため、副作用はまれです。
(実効線量 mSv)