当社の生産体制とミッション

生産部門担当役員 谷口 寛史

当社の放射性医薬品は、SPECT診断薬の製造を担う千葉と兵庫の工場と、PET診断薬を製造する国内11か所にあるPETラボで製造しています。
その規模は、放射性医薬品メーカーとしては世界最大です。

GMP※1に適合した製造環境下で、放射性同位元素等の規制に関する法律(RI規制法)にもとづく作業者の安全管理や環境管理も徹底しています。

製造管理、品質管理などコンプライアンスを徹底し、高品質な放射性医薬品を安全・確実に生産し安定的に医療機関にお届けする、それが生産部門のミッションです。

  • ※1Good Manufacturing Practice: 医薬品の製造管理および品質管理に関する基準。

生産関連部門の業務

当社は放射性医薬品という特異な分野を事業としますので、一般的な製薬会社にはない業務があります。例えばサイクロトロン(粒子加速器の一種)の運用管理とラジオアイソトープ(RI)の生産、職場の放射線安全管理、サイクロトロン関連の技術開発などがあげられます。

また放射性医薬品には半減期※2があるため、製剤は工場やPETラボから直接医療機関に納品します※3。放射性医薬品の厳しい輸送規制に従い、安全で正確な輸送を遂行する物流部門を擁するのも当社の特徴です。

  • ※2RIの放射能が半分になるまでの時間。時間ととともに減衰するため有効期間が短い。
  • ※3一般的に医薬品は医薬品卸を介して製薬会社から医療機関に納入されます。
    放射性医薬品は公益社団法人日本アイソトープ協会が卸の役割を担いますが、半減期があるため、製剤は製薬会社から医療機関に直接納品されます。
    放射性医薬品の流通形態: 日本放射性医薬品協会ホームページをご参照ください。

生産関連部門の組織と業務

SPECT工場 PETラボ 主な業務内容
第一技術課 製造G サイクロトロンの運用管理とRIの生産
第二技術課 化合物の合成と製剤化、製造管理
第三技術課 中間試薬の製造
品質管理課 品質管理G 出荷される製品およびその中間製品、原材料の品質試験・検査
品質保証G 品質保証G 出荷される医薬品の品質保証
総務・環境技術課 労務管理、放射線安全管理、安全衛生環境管理

サイクロトロン関連の技術開発も行います。この遮蔽扉は当社の技術者が設計したものです。

生産部門が求める人材

生産部門では、ひとりで多様な業務に取り組んでいただきますので、マインドとしては、チャレンジスピリットを持った方を求めています。

生産部門の社員は、薬剤師、第一種放射線取扱主任者、甲種危険物取扱者、第三種電気主任技術者や第二種電気工事士など、さまざまな資格を取得し活躍しています。

最近は在学中に学校が資格取得を推奨するケースが増えているようですが、薬剤師資格を除いて、必ずしも入社時に取得している必要はありません。意欲ある方には、入社後に教育機会を用意していますので、積極的にチャレンジしてください。

また、生産効率の向上を進めるには、生産技術の強化が必要と考えています。
そのためには、資格の他にサイクロトロンの核反応効率を高める技術開発や放射線の遮蔽性の立証に必要な物理的知識、あるいは化学反応の効率化を図るための化学的知識、さらに今後は設備改良のための電気系や機械系のスキルなども求められます。

このように、社員それぞれが様々な強みを持ち寄り、事業の成長基盤を支えています。
ぜひ皆さんの強みも当社で活かしてください。

皆さんへのメッセージ

当社はこの度、新たに『核医学で健やかな社会を創る』というパーパスを掲げ、2024年度からそれに基づいた運営を行っています。
このパーパスを実現するため生産部門ではデジタル技術を生産現場で積極的に活用し、放射性医薬品の生産革新を進めることとしています。
また、今後、需要が高まると予想される新たな医療用ラジオアイソトープの生産技術開発にも着手しています。
これらを推し進めるためには先述した知識やスキルに加えて、デジタル技術に関する知識を持った、バイタリティに溢れた若い技術者が必要となります。
このような職務に就いて活躍したいと考えている人は是非、当社の応募を検討してみて下さい。

2024年10月時点