ブルークローバー・キャンペーン2013 パパの明日を、守りたい。「前立腺がん」の「早期発見・適切治療の大切さ」を伝えます。
ブルークローバー通信 vol.15 2013.10.28 ブルークローバー・キャンペーン運営委員会

前立腺がん啓発活動に新たなる方向性 「気になったらPSA検査をうけよう 前立腺がん啓発キャンペーン in 南大阪」開催リポート

前立腺がんの「早期発見・適切治療の大切さ」を発信するため、これまでブルークローバー・キャンペーンが実施してきた各種イベント。このたび「前立腺がんで苦しむ人を1人でも減らしたい」と願う医薬品企業の熱意が形となった、新しい試みのイベントが行われました。

前立腺がんの無関心層へ、メッセージを届けたい

フードコート横に設けられたイベントブース フードコート横に設けられたイベントブース

「気になったらPSA検査をうけよう 前立腺がん啓発キャンペーン in 南大阪」のイベントを主催したのは、ブルークローバー・キャンペーンに特別協賛している医薬品企業・アストラゼネカ株式会社。主に南大阪エリアを担当するスタッフみなさんの思いが結実したもので、有志スタッフが中心となったイベント実施は、同社としても例を見ない試みだとか。

新井孝治さん(オンコロジー・麻酔クリティカルケア事業本部)は「啓発活動といえば、市民向けの公開講座を行うことなどが一般的ですが、こういった講座に参加されるのは、ご自身の健康への意識が高い方や罹患(りかん)者の方が多く、前立腺がんの知識も豊富です。早期発見が重要な前立腺がんだからこそ、ふだんから前立腺がんへの関心が薄い、またPSA検査の存在すらご存じない“潜在層”へのアプローチこそが重要だと考えていました」と、イベントのねらいを語ります。

そんなアプローチの場として設定したのは、「不特定多数」かつ「幅広い年齢層」が訪れる、休日のショッピングモールの一角。南大阪エリアでも有数の規模を誇る「イオンモール堺北花田」の全面協力を得て、秋晴れに恵まれた9月28日、情報ブースの設置展開と、前立腺がんの資料配布にこぎつけました。

ショッピングモールの特徴 幅広い層にアプローチ

配布された小冊子。
アンケート回答者には、ボールペンや
ステッカーなどが渡された

ブースを構えたのは、家族連れをはじめ多くの人が行きかう3階フードコート横。アストラゼネカ社のロゴが入った大きなボードを背景に、映像では南大阪エリアの泌尿器科医による前立腺がんについての解説ビデオクリップが絶えず流れます。ビデオクリップ制作にあたり協力を得た医師は総勢12人。伊藤哲二先生(PL病院)、今西正昭先生(済生会富田林病院)、植村天受先生(近畿大学医学部附属病院)、梶川次郎先生(市立堺病院)、梶川博司先生(泉大津市立病院)、加藤良成先生(市立貝塚病院)、杉山高秀先生(高石藤井病院)、田代孝一郎先生(明治橋病院)、田原秀男先生(耳原総合病院)、辻畑正雄先生(大阪労災病院)、西岡伯先生(近畿大学医学部附属堺病院)、萩野惠三先生(りんくう総合医療センター)※50音順の各先生が、前立腺がんの疫学、診断、治療など六つのテーマに大別された話題を、わかりやすく、かつ語りかけるようにアドバイスしているのが印象的です。構成はもちろんテロップなども充実した完成度の高いビデオクリップは、プロの手によるものではなく、撮影・編集などすべて同社スタッフが手掛けたというから驚きです。「映像でお話しいただく内容も、我々でシナリオを考えて、そこに先生方のご意見を反映するという形をとりました。前立腺がん理解の裾野を無関心層にも広げたい、という我々の思いを訴えたところ、たくさんの先生方に映像出演のご協力をいただけました。この企画自体は1年前から構想がスタートしており、通常業務以外の時間で、まさに『ゼロから』作り上げたものです」(スタッフ)。


正しい情報発信の場として機能したブースには多くの人が訪れた
正しい情報発信の場として機能した
ブースには多くの人が訪れた

そんな思いのこもったブース前では、スタッフのみなさんが、通りかかる人に前立腺がんに関する小冊子を手渡します。そのターゲットはPSA検査が推奨される50歳代以上の男性だけでなく、女性や若年層など幅広いことに気づかされます。手渡す際には、女性には「夫やお父さんに」、若年層には「パパやおじいちゃんに」と促すなど、幅広い層が行きかうショッピングモールの特性を生かした配布を心がけたといいます。

資料を配布しながら、同時にアンケートへの協力も呼び掛け。中には、何げなく通りかかり「前立腺がん」「早期発見」といった呼びかけキーワードに反応し「この年齢になったら気になるからね」と、すすんでアンケートにご協力いただく男性も。アンケート内には「ビデオクリップは参考になりましたか?」という設問があり、回答者がブースに座ってじっくり映像解説を見てもらう意図の仕掛けも。小冊子と照らし合わせ、うなずきながら映像に見入る方も多く、スタッフもその都度質問に回答。ブースは、アンケート回答の場だけでなく、PSA検査の理解や前立腺がんの疑問点を解消する場として機能していました。

生活者の認識を、ダイレクトに感じられる絶好の機会に

「協力いただいた医師に良い報告ができそう」とスタッフ 「協力いただいた医師に良い報告ができそう」とスタッフ

「ふだん健康に暮らしている方に、前立腺がんにどれだけ関心や理解を示していただけるのか。また前立腺がんに対して関心のない方は、この病気に対してどんな認識をされているのか。我々の日常業務ではなかなか知ることができない、生活者の“生の声”を、配布の際の会話やアンケート回答結果から知ることができました」と成果を語るスタッフ。翌日、同じ主旨でブース展開を行った関西空港駅前(大阪府泉南郡)と合わせ、約1800部の冊子を配布し、100人以上からアンケート回答を得ました。2日間を通じて、市民公開講座実施時と比べて数倍規模の人々と接触し、メッセージを発信できたといいます。

熱意あふれるよびかけはたくさんの人の足を止めた 熱意あふれるよびかけはたくさんの人の足を止めた

来年も同じ主旨のイベントを開催し、南大阪エリアで定着させたいと意気込むスタッフのみなさん。他県を担当するスタッフも応援に駆け付け、実施のノウハウも共有されたことから、今後は他エリアでの展開も期待されるところです。