DLB早期診断 症例アトラス②
幻視を初発症状とした
軽度レビー小体型認知症の症例
- 警告・禁忌を含む使用上の注意等は、添付文書をご参照ください。
- 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- 3D-SSP、Tomographic、DaTViewによる画像解析は、核医学画像解析ソフトウェア「medi+FALCON※」を使用することで実施可能です。(※認証番号:301ADBZX00045000)
- 本コンテンツで使用している症例・画像提供元:大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室 鐘本 英輝 先生
幻視を初発症状とした軽度レビー小体型認知症の症例
症例提供
鐘本 英輝 先生
大阪大学大学院医学系研究科 精神医学教室
「近所の声や物音が聞こえる」と訴えることも。
幻覚に基づく行動が出現。
布団で寝ていたら、知らない女性が入ってきたが、いつの間にかいなくなっていたので、深夜にも関わらず隣近所に女性がいないか訪ねて回る。
雨の日に路上で誰かが心肺蘇生されているのが見え、助けようとずぶ濡れになって駆けつけるも誰もいなかった。
同じマンションの人が自分を笑いものにしているという幻聴が出現。
精神症状精査のため、当科紹介初診。
CDR 0.5、MMSE 25点(時の見当識-2、場所の見当識-1、遅延再生-2)、ACE-Ⅲ: 81/100(注意 16/18、記憶14/26、流暢性11/14、言語25/26、視空間15/16)、FAB: 13/18、パレイドリア反応: なし、RBDSQ-J: 2/13、MDS-UPDRS Part 3: 21/136(仮面様顔貌、左上肢の筋強剛、左優位の両側上肢の拙劣症、動作緩慢あり)、Mayo Fluctuation Questionnaire: 7/8
繰り返す幻視、認知機能の変動、軽度のパーキンソニズムを伴うごく軽度の認知症
・幻視・認知機能の変動が消失
・注意障害の改善によるもの忘れ消失
● 徐々に歩行速度低下、安静時振戦が顕在化
・L-DOPA300mgまで増量歩行は改善も振戦は強く残存
・ゾニサミド25mg追加で安静時振戦も改善
● X+2年時点でも独居継続
後頭葉を含む広範な大脳皮質の血流低下を認める。
両側線条体の取り込み低下を認める。
DaT-SPECT
DaTView
臨床症状からDLBの可能性を疑い、脳SPECT検査を実施した結果、脳血流(IMP) -SPECTでは後頭葉の血流低下が認められ、DLBとして矛盾しない画像所見が得られた。また、DaT-SPECTでも線条体の集積低下が認められた。
本症例では、早期の段階からレビー小体病を診断することで、活発な幻視や認知機能の変動に対するコリンエステラーゼ阻害薬処方に結び付けることができた、と考えられた。
- SPECT機種名
- コリメータ
- 投与量
- 撮像開始時間
- 撮像方法
- 収集時間
- Symbia Intevo 6
- LMEGP(パラレル)
- 167MBq
- 投与後15分
- 反復回転(12回転)
- 30分
- エネルギーウィンドウ
- 回転半径
- マトリックスサイズ
- 収集拡大率
- 画像処理フィルタ
- 遮断周波数
- 158KeV±20%(Sub7%)
- 13~16cm
- 128×128
- 1.23倍
- Butterworth
- 0.35 cycles/cm
- 次数(order)
- 減弱補正
- 散乱線補正
- ピクセルサイズ
- スライス厚
- 8
- Chang(μ=0.12cm-1)
- 無し
- 3.9mm
- 3.9mm