心筋シンチグラフィとFFR トップバナー
  • 警告・禁忌を含む使用上の注意等は、添付文書をご参照ください。
  • 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
  • 本コンテンツで使用している症例提供元:新古賀病院 川﨑 友裕 先生 先生

はじめに

 近年、心筋シンチグラフィによる虚血評価の重要性が指摘され1)、またDEFER研究2)やFAME研究3)をきっかけにFFR(fractional flow reserve)による虚血評価の重要性が広く臨床に浸透してきた。これに伴い、安定した冠動脈疾患の治療の適応判断においては、冠動脈の形態的な狭窄評価から生理的な虚血評価へ臨床医の関心は変化している。

 

 心筋シンチグラフィとFFRはいずれも虚血評価のモダリティとして利用されているが、前者は心筋虚血、後者は血管虚血と、評価対象の違いから必ずしも結果が一致しない場合もあり、その有用性や診断精度についてしばしば対立関係で論じられることも多い。ここでは、両者の特徴について述べ、さらに両者を組み合わせた治療戦略について考察する。

心筋シンチグラフィとFFR

 心筋シンチグラフィとFFRの利点と欠点をに示す4)。心筋シンチグラフィは微小循環を含めた心筋虚血を反映していることが大きな特徴であり、その所見はCFR(coronary flow reserve)を反映していると考えられる(図1)4)

 

図1 CFRとFFRの違い

 

表心筋シンチグラフィとFFRの主な特徴の比較
虚血性心疾患の診断・治療戦略における心筋シンチグラフィとFFR

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◆虚血性心疾患の診断・治療戦略における心筋シンチグラフィとFFR

◆症例1 80歳代の男性。高血圧、喫煙既往があり、胸痛症状はないが不整脈があった。
冠動脈CTAの結果、LCX>LADの二枝病変が示唆された。

◆症例2 60歳代の男性。3年前から脂質異常症にてアトルバスタチン服用中であり、無症候だが当院の人間ドックの心電図で異常を指摘され2次検査目的で受診した。冠動脈CTAではLAD seg6に中等度狭窄、seg7に高度狭窄を認めた。

◆まとめ