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治療に役立つ心筋シンチー私の使い方4
陳旧性心筋梗塞症例における新規虚血病変の検出

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
患者背景
60歳代 男性。下後壁の陳旧性心筋梗塞で年1回の外来受診中。
糖尿病患者であり自覚症状に乏しいため、心筋血流SPECTにてフォローアップしていた。

運動負荷99mTc-tetrofosmin心筋血流SPECT画像 1年前

運動負荷99m-tetrofosmin心筋血流SPECT画像 今回

冠動脈造影画像 1年前 今回(治療前後)

冠動脈造影の結果、負荷心筋血流SPECT所見に一致して、左前下行枝中間部に狭窄の進行を認めたため、同部位にステント留置した。

症例のまとめ

PCI後慢性期の管理については、安定冠動脈疾患における待機的PCIのガイドライン(2011年改訂版)に「核医学的検査のSPECTを施行することが望ましい」との記載がある。
当院では陳旧性心筋梗塞症例のフォローアップに負荷心筋血流SPECTを活用している。本症例のように、非梗塞領域の新規虚血病変に関しても良好に評価することができる。また、過去にも心筋血流SPECTを実施している場合には比較すると非梗塞領域の変化がわかりやすい。