主な核医学検査_脳
・掲載されている薬剤の使用にあたっては、各製剤の最新の電子添文を参照ください。
・紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
・3D-SSPによる画像解析は「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」を使用することで実施可能です。
(※認証番号:301ADBZX00045000)

脳血流シンチグラフィ

使用される放射性医薬品

123I-IMP 【商品名:パーヒューザミン®

検査の原理

123I-IMPはいったん肺に取り込まれた後、血液脳関門を通過して初回循環でほぼ100%が脳組織に取り込まれます。その後、緩徐に洗い出されますが投与量の約8%が脳組織に集積します。集積機序は化学的小塞栓子と考えられています。
これらの脳内分布は局所脳血流量に比例するため、脳血流分布イメージが得られます。

書籍:最新臨床核医学 改訂第3版(金原出版株式会社)より引用改変
検査の流れ、注意事項

通常、本剤を静脈内に注射し、脳組織への集積を待って投与後15~30 分後*より撮像します。高分解能型のコリメータを用いて、脳血流分布を正確に画像化します。

解析方法、定量法

SPECT画像は、横断断層像、冠状断層像および矢状断層像の3方向から表示されます。正常集積部位と比較して、血流の変化を範囲および程度から判断して病変部位を診断します。視覚的な診断には限界があり、また、経験に依存することも多くなります。そこで、血流低下や増加を正常者から求めたデータベースと比較して、統計学的に評価する3D-SSP(3D Stereotactic Surface Projections)が開発され、多くの施設で利用されています。
脳血流量を測定する方法には、持続動脈採血法(マイクロスフェア法)や1点動脈採血法(ARG法)、非採血法(グラフプロット法)などがあります。

臨床的意義
  • 国内臨床成績にて、本剤が有効であると報告された適応症は、脳梗塞(急性期,慢性期)、脳動脈閉塞・狭窄、TIA(一過性脳虚血発作)、RIND(可逆性虚血性神経学的脱落症状)、脳内出血、くも膜下出血、モヤモヤ病、脳動静脈 奇形、その他です。(パーヒューザミン®注 添付文書より)
  • 脳循環予備能の評価は、脳血管障害の予後の評価、バイパス術の適応決定や治療効果の判定などに利用されます。
  • 認知症の診断などにおいて病変部の広がりの把握や疾患の鑑別に利用されます。

Bypass(バイパス)術前後の123I-IMP SPECT(ARG法)による評価

脳血流シンチグラム

 

術前
安静時の左中大脳動脈領域の局所脳血流量は33ml/100g/min前後(上段左)で、正常例の平均値の80%以下であった。Diamox負荷時の同領域の脳血流量は29ml/100g/min(-11%)(上段右)でsteal現象を認めた。

術後
安静時脳血流が37ml/100g/min(下段左)へと増加し、血管反応性が+16%へと増加した。

 

脳血流SPECT定量シンチグラム集(監修:中村記念病院 脳神経外科 中川原譲二先生)より引用