主な核医学検査_脳

フルシクロビンPET

使用される放射線医薬品

18F-fluciclovine(18F-FACBC)【商品名:アキュミン®静注

検査の原理

18F-fluciclovine(18F-FACBC)は代謝を受けない非天然型アミノ酸に、約110分の物理的半減期を有する18Fを導入した薬剤で、アミノ酸トランスポーターをターゲットとした悪性腫瘍のPET用薬剤である。18F-FACBCは、BBBを透過し、アミノ酸トランスポーターを介して細胞内に取り込まれるが、腫瘍細胞等では正常細胞よりもアミノ酸代謝が亢進していることから、正常細胞よりも腫瘍組織でより多く集積する。

検査の流れ、注意事項

通常,本剤1 バイアル(87~270MBq)を静脈内投与し、投与10~50分後にポジトロン断層撮影法により撮像を開始する。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方はご使用になれません(禁忌)。

解析方法、定量法

通常、18F-FACBC-PET画像は脳腫瘍の摘出範囲を決定するための補助として使用される画像である。18F-FACBC集積の拡がり判定では、腫瘍が高集積を呈する場合と低集積を呈する場合でカラースケールの変更を行う。その変更は経験のある読影者の視覚的判断で行う。カラースケール変更の目安としては、腫瘍のSUVmaxが高い場合には高集積用カラースケール、低い場合には低集積用カラースケールを用いる。ただし、撮像条件や視覚評価でSUV値に疑義が生じる場合は読影者・手術者の判断でカラースケールの変更を行ってもよい
FLAIR又はT2強調MRI画像で高信号領域かつ病理検査で腫瘍である部位においても、本剤の集積が認められないことがあるため、本剤を用いたPET検査では偽陰性が生じる可能性を考慮した上で、腫瘍摘出範囲を決定すること。
[読影に関する注意点(偽陰性について)]

※フルシクロビン(18F)診療ガイドライン2024
臨床的意義

脳腫瘍の18F-FACBC集積は通常は造影T1強調画像の増強病変の範囲と同等又はより広く、FLAIR/T2強調画像の高信号域の範囲と同等又はより狭い。造影T1強調画像の増強病変では検出されない領域にて18F-FACBCで検出される病変の陽性的中率は88%(25例中22例)とされる。術前の摘出計画において、18F-FACBC-PET 画像の陽性領域を追加することにより、造影T1強調画像のみによる摘出計画の範囲と体積が拡大(7.08cm3→14.94cm3)された。

 

フルシクロビンPET

引用アキュミン®:静注 総合製品情報概要より
参考資料

参考資料 アキュミン<sup>®</sup>静注製品情報概要

 WEB 
アキュミン®静注製品情報概要

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