主な核医学検査について
脳の検査
脳の核医学検査には、脳の血液の流れを調べたり、脳内の神経回路や神経伝達の状態、糖代謝をみる検査などがあります。
脳の血流のわずかな変化をみつけることで、脳梗塞、てんかん、認知症などの病気を診断したり、神経伝達や糖代謝の状態を調べることで、てんかんの発作を起こす部位(焦点)を検索する際に用いられます。また、脳内ドパミン神経の変性(状態・機能の変化)や脱落(機能の消失)の程度を調べることで、パーキンソン症候群とレビー小体型認知症の診断に用いられています。
- 脳血流シンチグラフィ:脳血流のわずかな変化を見つかるための検査です。脳梗塞、てんかん、認知症などの病気の診断で使われます。
▶脳血流シンチグラフィを受けるにあたって 検査の受け方等はこちらから>> - ドパミントランスポータシンチグラフィ:ドパミン神経の変性・脱落の程度を評価する検査です。 パーキンソン病、レビー小体型認知症などの病気の診断で使われます。
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心臓の検査
心臓の核医学検査には、心臓の筋肉(心筋)に栄養を運ぶ血流の状態や、心筋組織のエネルギー代謝、交感神経の働きをみる検査があります。
心筋の血流や代謝の状態を断面図でみたり、心臓の動き具合を観察することにより、狭心症や心筋梗塞、心筋症などの病気の有無や、その状態を調べます。治療計画を立てたり、入院が必要かどうかを判断する際にも役に立つ検査です。
心電図と同期して撮像することにより心臓の動きと併せて解析する心電図同期SPECTという検査も行われます。(QGSなど)
- 心筋シンチグラフィ:心臓の筋肉(心筋)に栄養を運ぶ血流の流れを見る検査です。狭心症や心筋梗塞などの病気の有無やその程度を診断するのに使われます。
▶心筋核医学検査を受けるにあたって 検査の受け方等はこちらから>> - 脂肪酸代謝シンチグラフィ:心臓への脂肪酸(エネルギー源)の取り込み状況をみます。心筋症などの病気の有無やその程度を診断するのに使われます。
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がんの検査
腫瘍や炎症の核医学検査では、腫瘍や炎症の部位に集まる放射性医薬品を注射して場所を特定したり、進行の程度を調べます。通常は全身の画像を撮り、放射性医薬品の集まる程度をみます。
また、他の検査の結果と併せて総合的に判断することで、治療法を選択する際にも役立ちます。さらに、治療を開始した後で、その効果を確かめたり、再発していないかどうかを調べたりする際にも用いられています。乳がんなどの手術時にリンパ節への転移の有無を調べるために行う検査もあります。
- PET検査:全身に放射性医薬品(FDG)の取り込まれる様子を観察します。難治性てんかん、虚血性心疾患、がんを診断するのに使われます。
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骨の検査
骨の核医学検査では、全身の骨の代謝の様子を画像にして、がんの骨転移、外傷等によるごく小さな骨折など、X線検査ではわかりにくい様々な骨の状態を詳しく調べます。
治療の前後に検査を行うことで、その効果をみたり、疲労骨折や骨粗しょう症による骨折の早期発見などにも用いられています。
画像提供元:東邦大学医療センター大森病院
- 骨シンチグラフィ:全身の骨の様子を写真に撮って骨転移、微小骨折などX線検査ではわかりにくい様々な骨の状態を診断するのに使われます。
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