アミロイドPET
18F-flutemetamol(フルテメタモル(18F))【販売名:ビザミル®静注】
18F-flutemetamol(以下、本剤)は、アルツハイマー病(以下、AD)の原因とされる異常蛋白であるアミロイドβ(Aβ)の脳内の沈着状況を評価するためのポジトロン断層撮影(以下、アミロイドPET)用薬剤として開発されました。本剤により、従来は患者の死後の剖検により病理組織学的にしか把握できなかった脳内Aβの異常沈着の有無を、侵襲性の低いPET検査によって把握することができるようになりました。
また、本剤の効能又は効果は、「ADによる軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」並びに「抗Aβ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化」となっています。
通常、本剤1バイアル(120~370MBq)を静脈内投与し、投与後60~120分から撮像を開始します。また、投与量185MBqにおける標準的な撮像時間は20分間となります。なお、本剤の禁忌等は添付文書をご確認ください。
本剤を用いたPET画像読影は、陽性か陰性かの定性判定により行うこととなっており、本剤の読影訓練を受けた医師が行う※旨、規定されている。本剤PET画像の読影に関する重要な点※※を下記に列挙します。
アミロイドPET検査の意義は、脳における老人斑の密度を推定することです(生体内でのアミロイド染色に相当)。
ただし、現在剖検脳との対比で検証されているのは、アミロイドイメージング画像の陽性陰性の判定と病理組織におけるCERAD分類(non〜sparse/moderate〜frequent)が良く対応するという点のみです。すなわち、診療への適用では陽性か陰性かという定性判定のみが行われます。
病理所見との整合性にもとづいて、アミロイドPETの判定は以下のように解釈されるべきです。
すなわち、アミロイドPETが陰性であれば、認知機能障害の原因疾患がアルツハイマー病である可能性は低いと判断される。
一方アミロイドPETが陽性である場合、そのような所見はアルツハイマー病の患者で認められるが、他の疾患による認知症や、認知機能正常者でも認められるため、認知機能障害の原因疾患の判断は、臨床症状や他の検査所見と合わせて行うべきであり、陽性所見のみでアルツハイマー病の診断が確定されるわけではない。アミロイド陽性所見の意義は被験者の年齢に依存しており、65歳未満の若年発症の場合は鑑別診断における臨床的有用性が高いです。
なお、アミロイドPET診断薬は老人斑ばかりではなく脳血管アミロイド(脳アミロイドアンギオパチー:CAA)にも集積し、そのどちらに集積しているかをPET画像のみから区別することはできないため、結果を解釈する上では留意が必要である。



