前立腺がん治療法あれこれ ―密封小線源治療法とは?― Q&A PART2
シード線源からの放射線は、ほとんどが前立腺内で吸収され、体外に放出されるものは微量です。そのため周囲の方々が受ける影響は非常に低いものです。普通に日常生活を送ることが可能ですが、念のため一定期間は周囲の人に配慮する必要があるとお考えください。
線源が体内にあることを記した治療者カードは、治療後1年間所持・携帯します。他の病気で診療を受けるときに小線源治療(しょうせんげんちりょう)を受けていることを説明する際に必要です。1年以内に何らかの手術を受けるときには、その主治医から小線源治療(しょうせんげんちりょう)を実施した担当医への連絡が必要となります。
外来通院は経過観察をするために必要です。病状の変化を見逃さないためにも、定期的な通院が必要です。
私たちの日常生活の中では自然に大地や空から微量の放射線被ばくを受けていることはよく知られているところです。
このヨウ素125シード線源を用いた小線源治療(しょうせんげんちりょう)を行った患者さんのご家族や周囲の人にはごく微量ですが放射線被ばくがあります。しかし、自然界の放射線被ばくより少ないものです。治療を受けた方と家族が1メートル離れた所で1回1時間の食事を1日3回、1年間毎日繰り返したとします。その時の家族の方の被ばく線量は胸のレントゲン写真を1枚撮る程度だといわれています。
シード線源はチタン製でカプセル状になっており、中に放射性ヨウ素125が密封されています。
このカプセルは永久に前立腺内に残りますが、放射線は徐々に弱まり1年後にはほとんどゼロになります。
シード治療は重篤(じゅうとく)な合併症が少なく、治療後の生活の質が良い点などがあげられますが、治療直後から半年ないし1年間は尿が出にくかったり、尿が近くなったりなどの症状が見られることがあります。症状が強いときには内服薬で治療することがあります。
放射線の副作用は一般に治療後早期に起こってくるものと、治療後半年から3年位の間の晩期に起こってくるものとがあります。医師によく相談をしてください。