- ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
3.FDG PET
監修
百瀬 満 先生
東京女子医科大学 画像診断学・核医学講座
検査の意義
ICMによる心不全患者で、心筋のviability診断が必要とされるが、心筋血流SPECTでは判定困難な場合に検査を行う。
- PETはSPECTに比べて、ガンマ線の吸収による減衰は少なく、鮮明な画像が得られるため精度の高い心筋viabilityの評価が可能である。
- エネルギー源であるグルコースが、viableな心筋に取り込みやすいとするエビデンスがある。
⇒FDG PETは心筋viabilityの判定の「gold standard」と言われている。 - 心筋viability判定基準は、過去の報告によると、%uptake(正常部の最大集積を100%とした時の相対的集積率)が50%以上でviableと判定している。
検査適応と治療方針のフローチャート と評価法 について以下に示す。
前処置と検査方法
FDGを心筋に充分取り込ませるために、前処置として糖負荷を行う。
(1)耐糖能異常がない場合→75g経口ブドウ糖負荷1時間後に、FDGを静注する。
(2)耐糖能異常がある場合→インスリンを糖と同時に投与し、FDGを静注する。
※「簡易法」と最も信頼性の高い「インスリンクランプ法」がある。
検査適応と治療方針のフローチャート
血流分布 | FDG分布 | 評 価 |
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→ | → | 正常心筋 |
↓ | → | 虚血心筋 |
↓ | ↓ | 梗塞心筋 |
血流と糖代謝のミスマッチ
a.Rest TL |
b.FDG-PET |
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画像提供元:東京女子医科大学 百瀬 満 先生 |
60歳代後半、男性
- 糖尿病コントロール不良、心電図異常で心疾患が疑われた。
心筋シンチグラフィで心尖部に高度欠損を認めた。 - CAGで3枝病変(#1 99%、#2 75%、#3 90%、#6 100%、#14 75%)と診断された。
- FDG PETを施行したところ、同部位に集積を認め、血流代謝ミスマッチと判定された。
Viabilityありの虚血心筋と評価し、主治医からCABGを薦められるも拒否された。
1年後に突然死した。
Tl SPECT安静 |
FDG PET |
心電図同期PET |
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EDV 175 mL |
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画像提供元:東京女子医科大学 百瀬 満 先生 |