認知症の原因疾患として、約5割はアルツハイマー病(AD)が占める。“第一の認知症”とされる所以であるが、裏を返せば半数はAD以外の疾患に伴う認知症ということになる。疾患が異なれば治療法も異なる訳で、原因疾患の違い、認知症の病型に応じた治療を行う上で、鑑別診断は極めて重要と言わざるを得ない。そこで重要となるのが、biomarkersとしての脳血流シンチグラフィ(SPECT)である。
今回は神奈川歯科大学附属病院 認知症・高齢者総合内科 教授 眞鍋 雄太(まなべ ゆうた)先生に、画像診断なくしては診断に至らなかった実症例を提示いただきながら、兎角敬遠されがちな脳血流シンチグラフィ(SPECT)の実戦的な読影方法、臨床像と合わせて見るべきポイント等を解説いただきました。
*本動画は、2020年8月20日(木)に実施したWeb講演会です。
● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
1.
神経変性性認知症診断ツールとしての脳血流SPECT検査
脳血流SPECT検査は認知症疾患の診断において、diagnostic markerでありstate markerとしても優れているツールです。アルツハイマー型認知症の脳血流SPECTでは蟹爪サインや仮面ライダーサインのような特徴的な画像所見に着目することで読影の参考になります。
2.
脳SPECT検査が“もの忘れ”の背景要因の診断根拠となった活用事例
脳血流SPECT検査やDaT SPECT検査が臨床表現型の“もの忘れ” によるmisleadを補正し、診断根拠を補強した甲状腺機能低下症とレビー小体病の症例を提示しています。
3.
脳SPECT検査が“視覚障害(幻視)”や“神経症状”の背景要因の診断根拠となった活用事例とTake Home Message
脳SPECT検査による臨床症状の原因推定がDLBやADとの鑑別に役立ったシャルル・ボネ症候群、皮質基底核変性症を提示しています。脳血流SPECT検査はAD病理合併の可能性を確認でき、診断精度を向上させて、不要な投薬の排除といった、適切な治療の導入をサポートします。
4.
質疑応答
当日、お寄せいただいたご質問について、眞鍋先生に回答いただいております。