ダットスキャン静注 症例集
  • ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
  • ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
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パーキンソン病(振戦優位型)

症例提供 : 慶應義塾大学医学部 神経内科 関 守信先生

50歳台前半 女性
主 訴:
右上肢の静止時振戦
現病歴:
X-4年10月 初診時、右上肢に中等度の静止時振戦を認めたが、筋強剛や運動緩慢は目立たなかった。臨床症状から振戦優位型のパーキンソン病(PD)と診断し、抗コリン剤投与が開始され振戦は軽快した。
その後、振戦は緩徐に増悪したものの、それ以外の症状は目立たず症状は数年間安定していた。
X-2年 秋頃から右半身に筋強剛・運動緩慢も認めるようになり、ドパミン受容体刺激薬が追加され症状は軽快した。経過中、何度か心臓交感神経シンチグラフィを施行したが集積低下は認めなかった。
X年  DaTSCANを施行した。
DaTSCAN
Original画像

Original 画像

DaTView結果画像

DaTView 結果画像

SBRは使用機種、コリメーター、画像再構成法等によって変動します。

 

 

DaTSCANでは後方優位、若干左側優位に両側線条体の集積低下を認め、線条体集積はドット状であった。
黒質線条体ドパミン神経変性を呈する疾患が疑われる所見であった。

心臓交感神経シンチグラフィ

(X-2年12月)

Early H/M比 2.72

Delayed H/M比 2.64

Washout Rate 34.3%

まとめ

PDの臨床症状は非常に多様性に富み、振戦優位型と姿勢反射障害優位型に分ける考え方がある。
本症例は比較的若年発祥の振戦優位型のPDであった。心臓交感神経シンチグラフィでは集積低下の所見は明らかではなかった。DaTSCANでは黒質線条体ドパミン神経変性が示唆された。