ダットスキャン静注 症例集
  • ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
  • ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
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進行性核上性麻痺(Progressive Supranuclear Palsy, PSP)

症例提供 : 東京都健康長寿医療センター 放射線診断科 伊藤 公輝先生

現所属 : 国立がん研究センター中央病院 放射線診断科

70歳台前半 男性
主 訴
歩行障害、認知機能低下
現病歴
X-2年 アルコール多飲にて近医を受診し、脳萎縮を指摘された。
X-1年 つまずきやすくなり、自発性が低下した。構音障害も出現。
X年    近医より歩行障害、認知機能低下にて紹介。
来院時のMMSE 21/30(遅延再生 2/3)、HDS-R 20/30(遅延再生 5/6)、ビタミンは正常範囲内、眼球運動障害が認められた。MRIにて中脳被蓋の高度萎縮(64mm2)3)、心臓交感神経シンチグラフィは正常(H/M比 2.95)であった。
進行性核上性麻痺(PSP)を疑いDaTSCANを施行した。
治療・経過
自立はできているが、転倒の回数が増加している。自宅に手すりを付けるなどで対応している。
3) H.Oba et al. Neurology 2005; 64: 2050-2055
DaTSCAN
Original画像
Original 画像
DaTView結果画像
DaTView 結果画像

SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。

 

両側線条体(左優位)に集積低下がみられ、特に被殻の低下が高度であった。

MRI
T1WI

T1WI画像

 

中脳被蓋の高度萎縮(64mm2;正中矢状断での面積の正常範囲は101~ 169mm2)3)が認められた。

3) H.Oba et al. Neurology 2005; 64: 2050-2055

まとめ

臨床症状及びMRI等からPSPが疑われ、DaTSCANで左優位の両側線条体の高度集積低下により、黒質線条体の変性を確認でき、PSPと診断した。