- ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- ● DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」※を使用することで実施可能です。(※認証番号:301ADBZX00045000)
本態性振戦からパーキンソン病への診断変更
クロナゼパム(CNZP)、エチゾラム、タンドスピロン、ビペリデン、プロプラノロールなどが使用されるも、無効(眠気やかゆみで不耐性)。半年で中断。その後はA病院精神科・神経内科に通院(ET)。
1度のプリミドン服用で3日間ふらつきと歩行障害が出現。
神経学的には両上肢の安静時振戦と筋固縮及び姿勢反射障害を軽度認めた。
パーキンソン病(PD)の家族歴はない。心臓交感神経シンチグラフィは、著明な低下あり。Early画像におけるH/Mは1.52、 Delayed画像におけるH/M は1.26であり、Washout Rateは36.7%であった。
画像からは特に異常はみられない。VSRADadvanceでのVOI内萎縮度(Z-score)は1.23。
両側頭頂葉、後頭葉、前頭葉の血流低下を認める。
視覚的に両側被殻及び左側尾状核の集積低下を示していた。
また、SBRは6.22であり、当施設のファントム実験結果からも、異常所見と判断した。
SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
SC(+)条件下では、SC(-)の約1.5倍のSBRを示した。当院ではSC(+)でDaTSCANの収集を行っているため、Boltらの論文1)で示されているカットオフ値4.5を考慮し、SBR=6.75を暫定的なカットオフ値としている。
※SC : 散乱線補正、CT/AC : X線CTによる減弱補正、+ : あり、- : なし
1) Tossici-Bolt et al. EJNMMI 2006; 33(12) : 1491-1499
■まとめ
長年、本態性振戦と診断され、治療にもかかわらず症状が改善せず悪化傾向にあった。外国人のために意思疎通がとりづらかったが、DaTSCANの所見を機に精査を進め、PDと診断した。治療薬を抗PD薬に変更し、20年来の症状が軽減した貴重な症例である。