- ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- ● DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」※を使用することで実施可能です。(※認証番号:301ADBZX00045000)
SWEDD(Scans Without Evidence of Dopaminergic Deficit)
それまで胃腸障害に対してスルピリドが処方されており、まず同薬剤の中止が行われた。
頭部MRI画像では特記すべき異常所見は認めなかった。
心臓交感神経シンチグラフィでは、H/M比:早期像2.30、後期像2.27と低下を認めなかった。薬剤性パーキンソン症候群の可能性は否定できなかったが、スルピリド中止後も左右差のある安静時振戦が持続し、姿勢反射障害も出現してきたため、臨床症状からパーキンソン病(PD)と診断された。
特記すべき異常所見は認めなかった。
H/M比 : 早期像2.30、後期像2.27と低下を認めなかった。
画像所見からDaTSCANの取り込み低下は
認められなかった。また、SBR値は左右ともに4.94と正常値であり、左右差(AI=0.0%)も認められなかった。
SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
SWEDD
DaTSCANの海外第Ⅲ相臨床試験では、臨床診断でPDと診断されたにもかかわらず本検査で異常のない症例が21%報告されており2)、これらの患者はSWEDDと呼ばれ、本剤が新しい診断基準を提供することとなった。
SWEDDは診断困難な本態性振戦等を含むと考えられており、既存の臨床診断ではPDと誤診される2)。本剤はPDが疑われる患者集団又はPDと臨床診断された患者集団からSWEDDを除外することが可能であり、PD患者の適切な患者管理、SWEDD症例における無用な抗PD薬の長期投与の回避に寄与することが期待される。
■まとめ
PDの診断基準を満たしているが、DaTSCANで正常集積を示す病態はSWEDDと定義されている。レボドパの効果は認められない病態であり、ジストニア振戦及び本態性振戦、心因性パーキンソニズムなどが原因疾患として想定されている。
本症例はDaTSCANの所見より、PDではない可能性が高いと判断され、プラミペキソールを漸減中止した。中止後も症状には変化がなく、PD以外のパーキンソン症候群と考えられた。これにより不要な薬剤投与を継続することが回避されたと考えられる。