- ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- ● DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」※を使用することで実施可能です。(※認証番号:301ADBZX00045000)
脳血管性パーキンソニズム①
日常生活に問題がないために放置。
表面筋電図では、左手において、4.5cpの振戦が確認された。
軽度の左手の振戦と筋強剛を認めるのみである。
T2WI
(X-13年)右の中脳に虚血巣を認めた。
(X-13年)集積は正常で、H/M比も2.61と正常であった。
(X-13年)11C-CFT*では右線条体の集積は全く認められないが、左線条体の集積は正常であった。
一方11C-RAC*では左右ともに集積は正常であった。
●11C-CFTは123I-FP-CITと同様にドパミントランスポーターに結合するPET製剤である。11C-RACはドパミンD2受容体に結合するPET製剤で、ドパミン系神経伝達機構における節後機能がわかる。両者により節前と節後のどちらが障害されているかを見分けることができる。
*両製剤は研究用薬剤である。
画像提供 : 東京都健康長寿医療センター 石井 賢二先生
DaTView結果画像
(X年)右線条体の集積は全く認められなかった。SBRは右0.41、左3.09であった。
■まとめ
脳血管性パーキンソニズムには3つのパターンがある。(1)大脳深部白質の広範な虚血巣、(2)大脳基底核、特に線条体における多発性の小梗塞、(3)中脳の梗塞である。
本例は黒質を含む中脳の不完全虚血による非常に珍しい片側性の脳血管性パーキンソニズムである。臨床的には運動症状はパーキンソン病と変わらない4.5cpsの静止時振戦と筋強剛が認められた。11C-CFTPETやDaTSCAN画像で右線条体の集積は著明に低下しているが、健常側である左線条体は全く正常であり、これはホーエン・ヤールⅠ度のパーキンソン病と大きく異なる点である。