- ● 「警告・禁忌等を含む使用上の注意」等については添付文書 ご参照ください。
- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- ● DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」※を使用することで実施可能です。(※認証番号:301ADBZX00045000)
多系統萎縮症(Multiple System Atrophy, MSA-P)
歩行は開脚歩行。つぎ足歩行は不可。
両上肢安静時振戦あり(左=右)、筋固縮あり(左>右)、姿勢反射障害あり。
起立性低血圧あり(臥位 : 135/87mmHg 脈拍59、立位 : 104/68mmHg 脈拍64)。
排尿障害(尿閉)あり-自己導尿。
小脳・脳幹萎縮 T2*被殻スリットあり。典型的なMSA-P症例である。
小脳及び両側大脳基底核の血流低下あり。
Early画像におけるH/Mは2.38、Delayed画像におけるH/Mは1.94であり、Washout Rateは40.5%であり、心筋への取り込みはほぼ正常であった。
DaTView結果画像
右優位の線条体への集積低下を認め、症状と画像の左右差は一致している。DaTViewの視覚的な情報ではPDと比べて際立った特徴はなさそうな印象である。
■まとめ
本症例も含めた当院の検討結果では、PDとMSA-PとでSBRに有意差はなく、パーキンソニズム症例の鑑別という観点では、DaTView解析結果を単独で用いることは慎重でなければならないが、本症例ではDaTSCANにより黒質線条体系の障害を明らかにできたといえる。今後はDaTViewのオプションとして線条体部位ごとにSBRを解析できる機能が付加されれば、より有益な情報が得られると考えられる。