
(※認証番号:301ADBZX00045000)
特発性正常圧水頭症とパーキンソン症候群の合併
術前不能であった3m up and goは可能となり1分2秒。以後、外来に定期通院。
頭部CT上over and under drainageなく、過去にPDが否定されていたため本態性振戦としてプロプラノロールを投与するも改善がみられなかった。
術前
Evans Index 0.31、シルビウス裂の開大は中等度、高位円蓋部・正中脳溝狭小化あり、脳梁角は90度程度。左基底核に陳旧性ラクナ梗塞巣あり。
術後
シルビウス裂の開大、高位円蓋部・正中脳溝狭小化は軽快し、脳梁角は鈍角化。



SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
両側線条体の集積が著明に低下。
■まとめ
アルツハイマー型認知症やパーキンソン病、脳血管障害などが合併していることがあり、シャント術の効果は合併していないものに比べ小さい。
本症例では、心臓交感神経シンチグラフィは正常であった。DaTSCANは低下しており、レボドパの効果がみられたことより、初期のPDあるいは他の変性性のパーキンソン症候群の可能性も否定できなかった。
アルツハイマー型認知症やPD、脳血管障害など他の疾患がiNPHに合併することがある。合併がない場合に比べて合併がある場合はシャント術の効果が減弱する。DaTSCANを含めた各種SPECT評価を組み合わせることでiNPHとの鑑別や合併の有無を判別し得た症例である。