三位一体の認知症診療
脳血流SPECT検査を利用した認知症診療
三位一体の認知症診療
病歴聴取・症候観察、神経心理学的検査、画像診断の結果を三位一体で公正客観的に判断し、認知症の鑑別診断を行います。
脳血流SPECT検査を行う理由
- 認知症では原因疾患毎の特徴的な血流低下部位が報告1) 2)されており、 脳血流SPECTの血流低下部位は認知症の鑑別診断に有用3)とされています。
- 臨床症状やMRI検査による診断に疑問が残るような場合に実施することが推奨されています2)。
- 側頭葉内側の萎縮はアルツハイマー型認知症(AD)だけでなく、 血管性認知症や前頭側頭型認知症でも見られることがあります2) 4) 5)。
- 認知症の症状と血流低下部位の関連が報告6)されており、 患者、家族・介護者への疾病・症状の説明に利用し、疾患の理解を深めていただきます。
DASC(ダスク)21 (Dementia Assessment Sheet in Community-based Integrated Care System)
東京都健康長寿医療センター研究所の粟田らが開発した「認知機能障害」と「生活機能障害」を評価するための認知症アセスメントツール7)です。物忘れの自覚症状に関する2つの導入用の質問と「記憶」「見当識」「問題解決・判断力」「家庭外IADL」「家庭内IADL」「身体的ADL①」 「身体的ADL ②」を評価するための21項目の質問から構成されています。各項目は1~4の4段階で評価し合計点が31点以上の場合は「認知症の可能性あり」と判定します。
1)CNS Spectrums. 2012, 17: 176-206.
2)European Journal of Neurology. 2012, 19: 1487-1511.
3)認知症疾患 診療ガイドライン 2017
4)AJNR Am J Neuroradiol. 2000, 21: 1235-1242.
5)J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2006, 77: 439-442.
6)J Neuroimaging. 2014, 24: 590-594.
7)老年精神医学雑誌. 2015, 26: 675-686.