- 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
Q1.血管性認知症をどう考えたらよいでしょうか?
血管性認知症は、脳梗塞や脳出血が主因で認知症を生じた病態の総称です。血管性認知症の特徴と代表的な分類を以下に示します。
血管性認知症とは?
1. 原因は脳梗塞、脳出血など、多発性脳梗塞が多い。
2. 運動の操作能力、遂行機能※に優位な支障がみられることが多い。
自分のもっている知識や技術を使いこなすことが困難となる。
※目標を設定し、それに向かって計画を立てて適切な行動を実行する機能。
3. 思考の緩慢化も大きな特徴。
ある知識が失われているのではなく、そこに到達しその知識を引き出すまで手間がかかる。
4. 怒りっぽい、涙もろい、感情に易変性がみられる。無気力や自発性の低下、意欲の減退もしばしばみられる。
5. 四肢の運動障害や嚥下障害、尿失禁などの神経症状をもつ場合が多い。
NINDS-AIREN1)による血管性認知症の分類
参考文献
1) Roman GC,et al. Vascular dementia: diagnostic criteria for research studies. Report of the NINDS-AIREN
international workshop. Neurology 43: 250-60,1993.
international workshop. Neurology 43: 250-60,1993.