「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。
紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
3D-SSPによる画像解析は核医学画像解析ソフトウェアmedi+FALCON*を使用する事で実施可能です。
(*認証番号:301ADBZX00045000)
本コンテンツで使用している画像提供元:熊本大学
紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
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症例5 CBD注4)
MRIで萎縮の左右差が乏しく、SPECTで血流低下の 左右差が明らかであった皮質基底核変性症(CBD)
患者背景
70歳台半ば 右利き女性
主 訴 | もの忘れ、左手と左足が動かしにくい |
---|---|
既 往 歴 | 糖尿病 |
現 病 歴 | X-4年秋頃より左下肢の違和感と脱力感が出現し、しばしば転倒するようになった。X-3年、左上肢にも同様の脱力感に加え、震えが出現した。 |
X-1年、近医を受診し、頭部CTにて多発ラクナ伷塞を指摘され、神経症状については糖尿病性末梢神経障害の合併が疑われた。徐々に立位も困難となった。また、もの忘れがみられるようになり、服薬の管理ができなくなったため、X年に精査加療目的で当科初診となった。 | |
神経所見 | ●上下方向の眼球運動制限、嚥下障害 |
●左上下肢のakinesia(無動症)、筋固縮、左上肢の拙劣症 | |
●左側でDTRの亢進、Babinski反射陽性 | |
●立位の保持も困難、座位でも後方に倒れる | |
神経心理所見 | ●MMSE:25点 CDR=0.5 |
●記憶障害はなし~軽度 | |
●構成障害(+) | |
精神症状 | ●身体の不自由さに対する不安、イライラ |
POINT
鑑別ポイント
臨床的にはCBDの可能性が高いが、上下方向の眼球運動制限、立位保持不能、座位での頸部後屈などから進行性核上性麻痺(PSP)の疑いも残る。
臨床症状と形態画像との不一致
MRIでは、虚血性変化が認められるものの、CBDの特徴である左右差はほとんどない。
MRAで明らかな血管の狭窄はない。
MRAで明らかな血管の狭窄はない。
機能画像による臨床症状の裏付け
脳血流SPECT/3D-SSP解析により、右側のみに非常に強い血流の低下が認められた。これは臨床症状とも合致する。また、前頭葉の血流低下が顕著であるため、CBDと診断する裏付けが得られた。
注4)パーキンソン症状(筋肉硬直、運動ののろさ等)と大脳皮質症状(手が思うようにつかえない、認知症等)が同時に見られる 神経変性疾患。