添付文書1)の「14. 適用上の注意」〈心筋シンチグラフィ〉には以下のように記載しています。
14.1 薬剤投与時の注意
心臓と重なる肝臓等への集積増加を防止するため検査前の一食は絶食が望ましい。
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添付文書1)の「14. 適用上の注意」〈心筋シンチグラフィ〉には以下のように記載しています。
14.1 薬剤投与時の注意
心臓と重なる肝臓等への集積増加を防止するため検査前の一食は絶食が望ましい。
安定狭心症16例で、早期像撮像直後に食事をした場合と後期像の撮像終了まで絶食を継続した(水のみ飲水)場合の2回運動負荷201Tl心筋シンチグラフィを実施したところ、“食事あり”のほうが再分布を認める率が低く、心筋からの201Tlクリアランス率も有意に高かったとの報告1)があります。また、この報告では、初期像と後期像の間の食事は避けるべきであると記載されています1)。
201Tlの全身像において、右尺骨側静脈より投与したところ、右肘から上腕部にかけて分布を認めたという症例を紹介し、対策として以下を挙げている報告1)があります。
・投与時、時間をかけてゆっくり注射する
・生理的食塩水を多めに流して血管壁を洗うようにする
添付文書1)の「11. 副作用」(一部抜粋)には以下のように記載しています。
11.2 その他の副作用
なお、塩化タリウム(201Tl)注NMPの腫瘍(脳腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍)、副甲状腺疾患に対する効能追加試験2-4)において、腫瘍を有する患者127例、副甲状腺疾患患者50例を対象として、201Tl投与前ならびに投与後それぞれ2週間以内に、医師による診察、血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査を行った結果、201Tlに起因すると考えられる有意な検査値の変動は認められませんでした2-4)。
逆再分布について、「負荷(運動、薬物)201Tl心筋シンチグラフィ再分布像撮影法や安静時201Tl心筋シンチグラフィ遅延像撮影法において初期分布像が正常で後期分布像で欠損像が生じる、あるいは初期分布像における欠損像が後期分布像で拡大する場合」と定義し、以下のような場合にみられるとしている報告1)があります。
・急性心筋梗塞再灌流療法施行後の亜急性期
・慢性冠動脈疾患(陳旧性心筋梗塞、CABG術後、PCI後)
・心筋疾患(心筋症、サルコイドーシス)
・明らかな疾患のない症例
拡張型心筋症、薬剤性心筋障害、心臓作動性薬物の服用時(強心配糖体、受容体遮断薬等)、虚血性心疾患の三枝病変例、低酸素状態、代謝性アシドーシスで報告1,2)があります。
負荷時の肺野集積亢進は負荷に伴う肺うっ血を示唆し、多枝病変や負荷誘発性の心不全を疑う重要な所見であるとの報告1)があります。喫煙者でも、肺への取り込みが高度となるとの報告2)があります。肺/心比は非喫煙者で0.34±0.06であるのに対し、喫煙者では0.39±0.11と有意(p<0.05)に高かったとの報告3)もあります。(運動負荷201Tl心筋シンチグラフィが正常の患者185例での検討)
正常でも腸管への集積を認めると報告されています1)。
他に、大腸癌に集積した例2)や、十二指腸平滑筋肉腫に集積した例3)でも報告があります。