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ベンゾダイン®
サイクロトロンRI製剤
Q.脳への集積機序は?
F082206
A.

123I-iomazenilは、脳内に広く分布する中枢性BZRに高い親和性を示し、選択的に結合する性質を有します。投与後早期には局所脳血流に従って脳内に分布し、その後3時間までの分布は脳血流の影響を受けることが知られています。したがって、投与3時間後に撮像した脳SPECT像は中枢性BZRに結合した123I-iomazenilの分布を反映し、123I-iomazenilを用いた検査により局所脳内中枢性BZR分布を評価することができます1)

 

※BZR:ベンゾジアゼピン受容体

【参考文献】
1) ベンゾダイン注 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.排泄経路・排泄率は?
F082206
A.

第Ⅰ相臨床試験において、健常成人男性6例に123I-iomazenilを投与したところ、主要排泄経路は腎・尿路系であり、累積尿中排泄率は投与後3時間で62.7±6.7%、24時間では93.1±5.0%でした1)

【参考文献】
1) 米倉 義晴 他 : 核医学 32:87-97, 1995
Q.生物学的半減期・有効半減期について情報はありますか?
F082217
A.

脳(皮質)における生物学的半減期は約4時間1)、全身の生物学的半減期は約3時間2)との 報告があります。これらの値を以下の算出式3)に当てはめて計算した有効半減期は、それぞれ、約3.1時間、約2.4時間です。
 


1/有効半減期=1/物理学的半減期+1/生物学的半減期
(物理学的半減期は13.2時間で計算)

【参考文献】
1) Wood SW 他 : Psychiatry Res 45:67-77, 1992
2) 米倉 義晴 他 : 核医学 32:87-97,1995
3) 社団法人 日本アイソトープ協会 : アイソトープ手帳 11版 p.8, 2011
Q.123I-iomazenil投与後、副作用や臨床検査値に異常(有害事象)を認めた例はありますか?
F122201
A.

添付文書1)の「11. 副作用」(一部抜粋)及び「17. 臨床成績」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

11.2 その他の副作用

 その他の副作用

 

17.1 有効性及び安全性に関する試験

17.1.1 国内追加第Ⅲ相臨床試験
80例中13例(16.3%)14件の副作用が認められた。主な副作用は、嗅覚錯誤7.5%(6/80)、疼痛(注射部位等)3.8%(3/80)等であった。また、主な臨床検査値異常としては、尿pH上昇11.3%(9/80)、好中球百分率減少3.8%(3/79)、血中カルシウム減少2.5%(2/80)等が認められた。

【参考文献】
1) ベンゾダイン注 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.ベンゾジアゼピン系薬剤との相互作用について情報はありますか?
F032208
A.

添付文書1)の「10. 相互作用」には以下のように記載しています。

10.2 併用注意(併用に注意すること) 

併用注意(併用に注意すること) 表

 

また、インタビューフォーム2)の「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目」の「7.相互作用-(2)併用注意とその理由」には以下のように記載しています。

効力を裏付ける試験において、本剤は中枢性BZRに選択的に高い親和性で結合することが示されている。また、海外の添付文書より、BZRに作用するベンゾジアゼピン系薬剤(以下、BZD)の投与により、本剤の画像が劣化する可能性が示唆されている。さらに、サルを用いた試験の結果より、123I-IMZの脳への特異的な放射能集積はBZD負荷により減少することが示され、123I-IMZの脳内放射能集積を50%に減少させるBZD負荷量(ED50、静脈内投与)は、下表のとおりだった(各BZDの臨床における投与量及びED50との比併記)。

インタビューフォームの「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目」の「7.相互作用-(2)併用注意とその理由」

*ヒトの体重を60kgとして計算

 

ここで、アルプラゾラムについては、ED50と臨床における投与量(注:経口投与量)に十分な開きがあるため(ED50:臨床投与量=124~22 : 1)、123I-IMZの脳集積に与える影響は少ないものと推測された。一方、フルマゼニル、クロナゼパム及びジアゼパムについては、用量によっては123I-IMZの脳集積が影響を受ける可能性が考えられた。したがって、患者がBZDを服用中の場合、本剤のSPECT像の解釈には注意を要する場合があると考えられる。しかし、各BZDにより本剤の脳内動態に与える影響が異なるため、薬剤名は記載していない。また、休薬の期間については海外の添付文書に従い「投与前数日間」と記載した。

以上のことから、併用注意として可能であれば投与前数日間の休薬を行う旨を記載している。

※BZR:ベンゾジアゼピン受容体

【参考文献】
1) ベンゾダイン注 添付文書(第1版), 2022改訂
2) ベンゾダイン注 インタビューフォーム(改訂4版), 2013
Q.脳全体で集積が低下したという文献報告はありますか?
F052226
A.

ベンゾジアゼピン系薬剤を長期投与している例で、123I-iomazenilの全般性の集積低下やRIカウントの低下が報告されています1)。連日の内服でベンゾジアゼピン系薬剤蓄積によりベンゾジアゼピン受容体が占有されている可能性やベンゾジアゼピン受容体のdown regulation等が影響していると考えられています1)

 

その他に、クロイツフェルト・ヤコブ病2)、全身性エリテマトーデス3)等で大脳全体の123I-iomazenilの集積が低下した例が報告されています。

【参考文献】
1) 九鬼 一郎 他 : 脳と発達 38:300-301, 2006
2) Ito Y 他 : Intern Med 37:896-900, 1998
3) Mathieu A 他 : Lupus 19:918-926, 2010