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セレブロテック®キット
99mTc製剤
Q.脳への集積機序は?
F080157
A.

エキサメタジムテクネチウム(99mTc)は、低分子の中性かつ脂溶性の錯体であり、血液-脳関門を通過して脳内に分布します1)

【参考文献】
1) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.排泄部位・排泄率は?
F080157
A.

健常者による体内分布試験では、投与後48時間までに投与量のほぼ40%が尿に排泄されました。また、投与量のほぼ30%が肝胆道系に移行し、腸管を介した排泄もみられました1)

【参考文献】
1) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.1.11GBqより高放射能の過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を使用して標識できますか?
F160109
A.

高放射能の99mTcO4-を用いて標識することはできません。
99mTc-HMPAOの脂溶性分画比が低くなる1)ため、脳への取り込みが低くなる可能性があります2)

添付文書3)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.2 調製方法  

 (2)本品1バイアル当たり99mTcとして370MBq~1.11GBqの過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータの溶出液を加える。

 (3)生理食塩液又は過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータの溶出用生理食塩液で希釈することにより、ジェネレータの溶出液の放射能濃度を370MBq~1.11GBq/5mLに調整する。

【参考文献】
1) 林田 孝平 他 : 核医学 25:231-241, 1988
2) Neirinckx RD 他 : J Nucl Med 28:191-202, 1987
3) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.24時間以内に一度も溶出を行っていない過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータからの溶出液を使用して標識できますか?
F160106
A.

24時間以内に一度も溶出を行っていないジェネレータを使用して標識はできません。
溶出液に99Tcを多く含むため、このような溶液を用いて標識を行うと99mTc-HMPAOの標識率が低下します1,2)

 

添付文書3)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意 

14.1.2 調製方法

 (1)放射化学的純度に及ぼすテクネチウム99等の影響を除くため、使用前24時間以内に一度以上溶出を行ったことのある過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータを使用し、溶出後2時間以上経過していない溶出液を使用する。

【参考文献】
2) 公益社団法人日本アイソトープ協会 医学・薬学部会 放射性医薬品専門委員会 : RADIOISOTOPES 53:155-178, 2004
3) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.テクネシンチ注を使用して標識できますか?
F160107
A.

テクネシンチ注では標識できません。
テクネシンチ注は、ジェネレータより溶出後医療機関へお届けするまでに2時間以上経過しており、99Tcを多く含んだ状態となっています。このような溶液を用いて標識を行うと99mTc-HMPAOの標識率が低下します1)

 

添付文書2)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.2 調製方法

 (1)放射化学的純度に及ぼすテクネチウム99等の影響を除くため、使用前24時間以内に一度以上溶出を行ったことのある過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータを使用し、溶出後2時間以上経過していない溶出液を使用する。

【参考文献】
1) 公益社団法人日本アイソトープ協会 医学・薬学部会放射性医薬品専門委員会 : RADIOISOTOPES 53:155-178, 2004
2) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータから溶出後2時間以上経過した溶出液を使用して標識できますか?
F160108
A.

標識できません。
溶出後長時間経過したジェネレータ溶出液は、99Tcを多く含むため、このような溶液を用いて標識を行うと99mTc-HMPAOの標識率が低下します1)

 

添付文書2)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.2 調製方法

 (1)放射化学的純度に及ぼすテクネチウム99等の影響を除くため、使用前24時間以内に一度以上溶出を行ったことのある過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータを使用し、溶出後2時間以上経過していない溶出液を使用する。

【参考文献】
1) 公益社団法人日本アイソトープ協会 医学・薬学部会 放射性医薬品専門委員会 : RADIOISOTOPES 53:155-178, 2004
2) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.調製後に生理食塩液で希釈できますか?
F160028
A.

日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」1)の「付録1.放射性医薬品調製手順書 第1章 調製時の一般的注意」には以下のように記載されています。

(7)調製後の溶液を希釈しない。
調製後の溶液を希釈すると99mTc 放射性医薬品の分解が起こり、放射化学的純度が低下することがある。薬剤の放射能量を調整する時は、調製前に真空バイアル等を使用し、必要量の99mTcO4-ナトリウム注射液に日本薬局方注射用生理食塩液を加えて、あらかじめ放射能量を調整してから薬剤の調製を行う。

 

調製前に、生理食塩液で希釈することにより、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ溶出液の放射能濃度を370MBq~1.11GBq/5mLに調整してから、5mLを調製に用いてください2)

 

添付文書3)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.2 調製方法

 (3)生理食塩液又は過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータの溶出用生理食塩液で希釈することにより、ジェネレータの溶出液の放射能濃度を370MBq~1.11GBq/5mLに調整する。

【参考文献】
1) 日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会:「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」 p.9, 2019:jsnm.org/wp_jsnm/wp-content/uploads/2018/04/放射性医薬品取り扱いガイドライン第3.1版.pdf)(2022年3月現在)
2) 「テクネチウム調製用キット使用の手引き」(日本メジフィジックス株式会社 医療関係者専用HP:https://www.nmp.co.jp/member/technetium/index.html )(2022年3月現在)
3) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.調製後に過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を追加できますか?
F160048
A.

日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」1)の「付録1.放射性医薬品調製手順書 第1章 調製時の一般的注意」には以下のように記載されています。

(6)標識後のキット製剤に99mTcO4-ナトリウム注射液を追加しない。
調製完了後のキット製剤の放射能量が不足しているからといって、そこに99mTcO4-ナトリウム注射液を追加しても、還元剤や配位子(薬剤)が既に反応を完了しているため、追加された99mTcO4-ナトリウムとの反応が進行せずに標識低下を起こす恐れがある。

 

調製前に、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ溶出液の放射能濃度を370MBq~1.11GBq/5mLに調整してから、5mLを調製に用いてください2)

 

添付文書3)の「14. 適用上の注意」(一部抜粋)には、以下のように記載しています。

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.2 調製方法

(3)生理食塩液又は過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータの溶出用生理食塩液で希釈することにより、ジェネレータの溶出液の放射能濃度を370MBq~1.11GBq/5mLに調整する。

【参考文献】
1) 日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会:「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」 p.9, 2019:jsnm.org/wp_jsnm/wp-content/uploads/2018/04/放射性医薬品取り扱いガイドライン第3.1版.pdf)(2022年3月現在)
2) 「テクネチウム調製用キット使用の手引き」(日本メジフィジックス株式会社 医療関係者専用HP:https://www.nmp.co.jp/member/technetium/index.html )(2022年3月現在)
3) セレブロテックキット 添付文書(第1版), 2022改訂
Q.開眼・閉眼による画像への影響について情報はありますか?
F130153
A.

日本核医学会 核医学イメージングガイドライン作成委員会「核医学診断ガイドライン2008」1)の「Ⅰ中枢神経系 1.脳血流シンチグラフィ(SPECT)」には以下の記載があります。

(3)検査法

 (C)撮像法
脳血流は動脈血CO2分圧や神経活動により変化しやすいため、投与は安静臥床して閉眼にて行い、撮像までできるだけ安静を保つ。

 

他に、閉眼・開眼・光刺激の画像を比較すると、視覚野の集積は光刺激・開眼・閉眼の順に高いとの報告2)があります。また、閉眼と光刺激の画像を比較すると、光刺激により視覚野の分布が増加したとの報告3)があります。

【参考文献】
1) 日本核医学会 核医学イメージングガイドライン作成委員会 : 「核医学診断ガイドライン2008」 p.4, 2008
2) Catafau AM 他 : Nucl Med Commun 17:480-484, 1996
3) Scott WW 他 : J Nucl Med 32:210-215, 1991
Q.患者が検査中に眠ってしまった場合の画像への影響について文献報告はありますか?
F130167
A.

睡眠により脳血流が視覚連合野で増加、前頭葉下部で低下したとの報告1)があります。 また、「動く可能性のある患者のSPECT撮像のため鎮静剤を投与する場合は、トレーサ分布が脳内で決定した後(99mTc-HMPAOの場合3分後以降)に薬剤を投与する。」との報告2)があります。

【参考文献】
1) Madsen PL 他 : J Cereb Blood Flow Metab 11:502-507, 1991
2) 久田 欣一 他 : 最新臨床核医学 第3版 p.96, 2000
Q.頭皮に集積したという文献報告はありますか?
F050105
A.

標識率の低下により頭皮へ集積したという報告1,2)があります。

【参考文献】
1) 篠原 広行 他 : MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY 8:100-109, 1990
2) Giordano A 他 : Clin Nucl Med 21:741-742, 1996