肘静脈内に投与された99mTc-DMSAは静注後速やかに腎尿細管上皮細胞によって摂取され、かつ高率(90%)に腎皮質に集積し、かなり長期間蓄積、停留します。のう腫や水腎の存在する場合、あるいは腫瘍によってFunctioning tubular massが圧排されている場合は、欠損像として形態異常を示します1,2)。
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2) キドニーシンチキット 添付文書(第1版), 2022改訂
主に尿路系から排泄されます1)。
血清クレアチニン値2.0mg/dLを超えない腎機能のほぼ正常な患者4例に対し、99mTc-DMSA185MBqを投与し、累積尿中排泄率を求めたところ、最初の1時間で4.15±2.05%、15時間で19.10±0.57%でした1)。
日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」1)の「付録1.放射性医薬品調製手順書 第1章 調製時の一般的注意」には以下のように記載されています。
(7) 調製後の溶液を希釈しない。
調製後の溶液を希釈すると99mTc 放射性医薬品の分解が起こり、放射化学的純度が低下することがある。薬剤の放射能量を調整する時は、調製前に真空バイアル等を使用し、 必要量の99mTcO4-ナトリウム注射液に日本薬局方注射用生理食塩液を加えて、あらかじめ放射能量を調整してから薬剤の調製を行う。
調製前に、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を日本薬局方生理食塩液で希釈して適切な濃度に調整してから、2~9mLを調製に用いてください2)。
2) 「テクネチウム調製用キット使用の手引き」(日本メジフィジックス株式会社 医療関係者専用HP:https://www.nmp.co.jp/member/technetium/index.html )(2022年3月現在)
日本核医学会・日本核医学技術学会・日本診療放射線技師会・日本病院薬剤師会「放射性医薬品取扱いガイドライン 第3.1版」1)の「付録1.放射性医薬品調製手順書 第1章 調製時の一般的注意」には以下のように記載されています。
(6) 標識後のキット製剤に99mTcO4-ナトリウム注射液を追加しない。
調製完了後のキット製剤の放射能量が不足しているからといって、そこに99mTcO4-ナトリウム注射液を追加しても、還元剤や配位子(薬剤)が既に反応を完了しているため、追加された99mTcO4-ナトリウムとの反応が進行せずに標識低下を起こす恐れがある。
調製前に、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を適切な濃度に調整してから、2~9mLを調製に用いてください2)。
2) 「テクネチウム調製用キット使用の手引き」(日本メジフィジックス株式会社 医療関係者専用HP:https://www.nmp.co.jp/member/technetium/index.html )(2022年3月現在)
健常成人の99mTc-DMSA腎摂取率(両腎)は40~50%前後と報告されています。ただし算出方法や撮像開始時間により値は変動します1)。
以下の文献報告があります。
集積部位 |
原因(疾患・機序等) |
---|---|
肝集積※ |
高度腎機能障害1) 、酸塩基バランスの不均衡(塩化アンモニウム投与により生じた酸性尿を伴うアシドーシス2) 、尿細管アシドーシス3))、バイアル内の空気添加4) |
脾臓集積 |
アミロイドーシス5) |
骨・骨髄集積 |
腎性骨異栄養症による骨ターンオーバーの亢進、ミネラルバランスの変化に起因するコロイド形成による細網内皮系組織への分布 6) |
膀胱集積※ |
高度腎機能障害1)、特発性尿細管性蛋白尿症7)、尿細管アシドーシス 8) |
腎集積低下※ |
高度腎機能障害1,9)、尿細管の再吸収障害1)(尿細管アシドーシス 3,8)やFanconi症候群等) |
※腎集積が著しく低い場合は、肝や膀胱の集積増加・バックグラウンドの増強を伴うことが多い。
2) Corine A.Yee 他 : J Nucl Med 22:1054-1058, 1981
3) Caglar M 他 : Ann Nucl Med 16:499-501, 2002
4) Taylor. A Jr 他 : J Nucl Med 21:1190-1193, 1980
5) Bava S 他 : J Post Gred Med 51:119-121, 2005
6) Caglar M 他 : Ann Nucl Med 7:281-283, 1993
7) 松山 健 他 : 小児科臨床 53:317-322, 2000
8) Green DA 他 : Br J Radiol 70:1291-1292, 1997
9) 大石 幸彦 他 : 泌尿器科紀要 33:1749-1754, 1987